こんにちは、元介護施設管理者の佐久間(@kaigo_webwriter)と申します。
介護の仕事はよく「人手不足」だと言われていたり、体力的にもキツイと聞きます。それでも、なぜ安い給料しか貰えないのでしょうか?
✔今回はこういった疑問について解説していきます。
介護職の給料データを見てみる
厚生労働省の統計ベースでの介護職の給料の実情は以下のようになっています。
・2018年時点の常勤介護職の平均月収は30万970円
・前年と比較すると1万850円増加している
・しかし、全産業平均と比較すると6万5千円程少ない
介護職の給料は年々改善されてきているのは分かりますが、まだ全産業平均には届かないといったところでしょうか。
実は、介護職の給料が上がりにくい大きな要素として「介護保険の構造上の問題」があります。
介護職の給料はなぜ安い→介護保険の仕組みが原因?
なぜ介護職の給料が低いのか?の本題ですが、「介護サービスは介護保険の仕組み上、売上の上限が決まっている事」が真っ先に挙がります。
介護サービスを提供する際の料金は自由に設定する事は出来ず、利用する方の要介護度とサービス内容に応じて決まっています(これを介護報酬と呼びます)。
つまり、会社側が「給料を上げたい気持ちはあっても・・・んー難しい」という事になります。
これに関しての抜本的な解決としては、”介護報酬が上がる”事(会社の売上が上がる事)が必要なので、介護職の給料が低い原因は個人のスキル等とは別の問題となります。
それなら、働く人を減らして1人あたりの給料を増やしたらいいのでは?
という疑問が浮かびますが、そうもいきません。
そもそも介護サービスを開始するには介護サービス事業者の指定申請というものを受けなければなりません。
指定申請の項目の中には「職員は最低限これだけは使ってください」といった人員基準についても明記されています。
さらに、「しっかり運営しているか?」という部分の調査も定期的に入るので、「働く人数を減らして1人あたりの給料を増やす」という事は実質不可能に近いです。
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それでも、介護職として働きたい。出来るだけ高い賃金が貰える会社の特徴はなんでしょうか?
次はこのような疑問に対して、介護職として高い給料を貰っている人が勤めている会社の特徴を紹介していきます。
介護職でも給料が高い職場の特徴とは?
給料が高い会社の特徴ですが、以下の点が挙げられます。
・売上を職員に還元している会社
・介護事業所の数が多い大手の会社
・介護以外の事業も運営している大手の会社
もし介護職の仕事を探す場合は、この点を意識して探す事をおすすめします。
売上をしっかりと職員に還元している会社
先ほど、介護職の給料が低い原因として「売上の上限がある事」と言いましたが、
たとえ売上があっても、経営者が職員に給料として還元していなければそれ以前の問題となります。
「そんなこと実際に働いてからじゃないと分からないじゃん!」という声もあると思いますが、
確かに就業前に分かる事は初任給くらいで、長い目で見た時にどれくらい稼げるかという部分は見えづらかったりします。
しかし、ある程度の規模の会社なら働いてる人・働いた事がある人の口コミが見れます。
中には給料面に関する口コミもあるので事前に調べておくべきです。
「〇〇株式会社 口コミ」とGoogleで検索すればOKです。
介護事業所の数が多い大手の会社
たとえ介護は売上の上限があると言っても、介護事業所の数が大きければ比例して売上は大きくなるため、中小企業と比較すると給料もそれに応じて高い事が多いです。
実際に僕の知り合いも、大手の有料老人ホームの施設長として年収500万円を超しています。(年収500万円が高いか低いかというのは人によると思いますが、僕は「高い」と思います。)
介護以外の事業も運営している大手の会社
上記のように介護事業所は多くなかったとしても、それを支えるような他の事業(例えば建築業など)も運営しているような会社も給料は高めの傾向が見受けられます。
「大手、大手って...高い給料を貰うには結局は大手の会社を選ぶしかないのかよ!」
と言いたくなると思いますが、単純に考えて売上が大きい会社の方が、将来的に貰える給料の限界値は高いのは事実だと思います。
ただ、大手の会社は業務が定型化していたりするので、自由度が低い(自分のしたいように仕事が出来ない)といった側面があるのも事実です。
高収入の求人は介護専門求人サイトで探す
ハローワークや新聞の折込チラシに載っている求人は比較的給料が低い事が多いです。
特にハローワークに求人を掲載するのは無料なので、広告費にお金を掛ける余裕のない会社も混在しているのが実情です。
それに対して介護専門求人サイトであれば、掲載にはそれなりの費用がかかる為、そこに掲載されている会社はある程度の環境は整っている会社だという指標のひとつとなります。
また、条件が良い求人に対して、応募者をある程度絞りたいという理由から介護専門求人サイト以外には非公開にしている求人も見受けられ、このような非公開求人は高収入である事が多いです。
もし使わないにしても、このような求人サイトがあるという事を情報として持っておく事に越したことはないので、ぜひ下記の記事から確認だけでもしてみてください。
まとめ
介護職の給料が低い原因としては、
介護サービスは介護保険の仕組み上、売上の上限が決まっている為、職員の給料を上げにくい。
という事になります。
しかし、繰り返しにはなりますが、その中でも年々介護職の給料は上がってきているのも事実です。
2019年には介護職の更なる処遇改善として以下のような取り組みも実施されています。
経験・技能のある介護職員において「月額8万円」の改善又は「役職者を除く全産業平均 水準(年収440万円)」を設定・確保 →リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を実現
2019年度介護報酬改定について(厚生労働省)
介護は給料が低い業界と言われていますが、このような取り組みを元に全産業平均額と並ぶ日も近いかもしれませんね。
今回は以上となります。
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