「デイサービスにとってレクリエーションは必要不可欠なサービスである。」
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました(笑)
実際、一般的なデイサービスの1日のスケジュールの例などを見てみるとレクリエーションは必ずと言っていいほど入っています。大半の時間を割き、様々な趣向を凝らしたものを提供している施設も多いかと思います。
2014年9月からは「レクリエーション介護士」の資格も新設され、レクリエーション活動はさらに盛んに行われていくと予想できます。
つまり、レクリエーションをしない静かなデイサービスは需要がない。
否ッッッ!!
そんな中で時代と逆行するかの如く「レクリエーションをしないデイサービス」も一方で存在しているのです!
この目で確かに見てきました。
意外と需要があるレクリエーションをしないデイ
小規模のデイサービスで見た
自分が見たレクリエーションをしないデイサービスですが、利用定員が10名以下の小規模のデイサービス(正式名称は地域密着型通所介護)で見ました。
僕は営業で介護施設を回る事が多いのですが、そのデイサービスの施設長とは以前からの付き合いがあり、今回は「なぜそのようなコンセプトにしたのか」詳しい話をお伺いする事が出来ました。
稼働率が低い時の対策だった
話を聞くと、初めからそのようなコンセプトではなかったそうです。
当時は風船バレーや折り紙などのレクリエーションを毎日行っていたが、70代の利用者から「子供だましみたい」だと言われてしまったとの事で、利用者も1日にまだ2~3名だった事もあり、そこから施設長はコンセプトの変更を考えたそうです。施設長自身もレクリエーションの内容については前々から疑問に思っていたそうです。
大きい施設と違い、レクリエーションにあてる予算も少ない為、真似をしていても勝てない。
ならば小規模なりの戦い方をしていこうと。
現在契約している方へはその旨を説明し、了承を得てから徐々にレクリエーションしないように変えていったそうです。
(既に利用者が多くいるデイサービスでは急なコンセプトの変更は難しく、しかも利用者の介護度がばらついていたりすると結局全員が参加できる”子供だまし”みたいなレクリエーションしか出来ない、みたいな現状はあるなとは感じました。)
口コミにより稼働率が上がってきた
ケアマネージャーを通じて、「ゆっくり過ごせる施設」という口コミが広まり、少しづつそのコンセプトに合わせた利用者が集まってきたそうです。
特に6、70代から80代でも前半の若い方が多かったそうです。
また、そのようなデイサービスも数多くあるわけではないので上手く差別化も図れていたのでしょう。
レクをしない代わりに
話を聞くとしっかりと利用者を飽きさせない工夫が凝らされていました。
そのポイントは以下の3つだそうです。
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利用者同士の談話を増やす。
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入浴サービス関連を充実させる。
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機能訓練や体操はしっかりやる。
それをやっていれば暇な時間は逆にないようです。
自分もそのデイサービスに行くといつも利用者同士で笑っているのが印象的です。あと、忙しそうな雰囲気がないので入りやすいです(笑)
レクリエーションをしないメリット
コンセプトに沿った利用者が集まる以外にもメリットがあるようです。
職員の不満が減った
業務に追われる事が無くなったので職員が不満を言わなくなったそうです。
レクリエーションをしていた頃は1日に2人しかいないのに「忙しくて記録を取る暇がない」と言ったのが10人の日でもニコニコしながら働いているようです。
施設長も今では安心して事務処理が出来ると言っていました。
職員の応募が増えた
「ゆっくり過ごせる」という口コミはケアマネージャーにより介護業界の人材にまで広がっていき、職員の応募も増加して人材不足で困る事がないという話も聞きました。
たしかに、デイサービスではレクリエーションを毎日考えなければいけなかったり、ずっとハイテンションでいなければいけないから訪問介護や老人ホームで働く事にしましたという話を聞いた事がありますので、そのような方にとっても都合が良いのでしょう。
しかし、ケアマネージャーの口コミはすごい。
利用者だけでなく、働き手にとってもメリットがあるのは一石二鳥ですね。
終わりに
アリかナシかで言えばアリだと思います。
自分もコミュニケーションは得意な方ではないので、是非ともおじいちゃんになったら利用したいデイサービスです(笑)
それまでは今のコンセプトのままでいて欲しいですね。
稼働率も良いとの事なので、少なくとも選択肢として地域に一つはこのようなデイサービスがあってもいいのではないかと思います。
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